Arduino NANOによるLチカ


記事:Yutaro Kawana(2022/09/01)

 

「電子工作を始めたい!けど何から始めたらよいのかわからない...」と言う人は多いですよね.電子工作をやっている人は誰もが通る最初のステップです.ノウハウのある先輩から教わる,本を買う,Youtubeで勉強する,様々なやり方がありますが,どれであっても「LEDをチカチカさせる(通称Lチカ)」という電子工作からスタートすることが多いです.

 

そんなLチカについて動画を作成いたしました.ぜひ参考にしてください.

ここでは動画の見やすさのために削ってしまった内容を書きたいと思います(少しづつ書き足していきます).

Arduinoとは?


モノづくりに興味が出た人,ロボット系の研究室に入った方ならば「Arduino(アルディーノ)」という言葉を耳にしたことがある人がいると思います.Arduinoはマイコン(マイクロコンピュータ)の一種です.マイコン(マイクロコンピュータ)は小さなコンピュータのことで,ここら辺は定義が細かいのですが,ざっくりと言えばプログラムを書きこんで様々な計算や電子回路の処理を行えるパーツです.

 

つまり,ロボットの脳にあたるところですね!

ロボットだけではなく,様々なセンシングデバイスなどで情報処理と記録を行わせることができます.ロボコンでは大活躍ですし,評価が大事な研究開発の分野でもしっかりと使えます.

 

Arduinoマイコンは比較的簡単かつ安価なので入門にはピッタリです.
Arduino NANOの正規品は3000円ぐらいしてしまいますが,互換ボードはだいたい1000円以内で買えてしまいます.入手に苦労しない点で優れています.

ディジタル出力の制御


Lチカはしっかりとしたテーマだと,「ディジタル信号出力の時間制御」というテーマになります.

ディジタル信号とは電源のON/OFF,1/0の信号のことです(ディジタル:離散,アナログ:連続).コンピュータや信号処理はこのディジタル信号が中心になって構成されています.様々難しいことをやってはいても,基本は電源のON/OFFを頑張って組み合わせて作られているわけです.なんだLEDがチカチカするだけか,と思うかもしれませんが案外シンプルゆえに重要です.

 

ここで身内向けの小話を挟んでおくと,中央大学精密機械工学科の必修になる「電子回路」ではほとんどが「ディジタル信号処理のための論理回路」というテーマで構成されており,ブール代数の世界である1/0の電子回路で,計算と信号処理を行う内容について扱います.

ちなみにオペアンプについても内容ですが,オペアンプはアナログ電子回路で少し異なる内容です.0~1の連続的な信号処理を行うものなので,回路によって微積分やフィルタ処理を行うことができるわけです.