LTコンペ


 

「CanSatを作ってみたい!」

 

...と思ってもなかなか難しい!そのためCanSatに使われる技術と似た部分の多いLT(ライントレースロボット)を使った基礎技術の習得を目的としたコンペティションを開催しました!

LTとは?


LTとは,地面に描かれた線(Line)を検知し,それを追う(Trace)ように自動走行するロボットのことです.

 

昔から入門用ロボットとしてよく使われてきたので,見てくれている方にはご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか?マイクロマウス競技大会のロボトレース部門などロボコンもあります(残念ながら,我が部ではまだ参加経験がありません...後輩の活躍に期待!).

 

教育用LT Aldebaran
開発:Yutaro Kawana

世の中にあるスゴイロボットに比べれば,かなり簡単に動いてくれるロボットではありますが,重要ではないわけではなく,その基礎技術は製造や物流の自動化を支えるAGV(Automated Guided Vehicle,無人搬送車),レベル1の自動運転(車線維持)などに応用されています.

制御設計の難しさ


線を自動追従するときの課題のひとつが応答性と安定性の両立です.制御工学を学んだことのある方ならおなじみの課題ですよね.

 

制御工学を知らない方にもわかるようなもので言うと,車の運転の例などがあります.

この場合,スピードが応答性,車がどれだけ車線に沿うかが安定性になります.

スピードを出せばそれだけ速く目的地に向かうことができますが,坂やコーナーでは道を外れてしまいやすくなります.このとき,応答性は良いが安定性の良くない制御となります.

一方,駐車するときなど車を正確に動かす必要がありますが,そのために車を非常にゆっくり動かしますよね.このとき,安定性は良いが応答性の良くない制御になります.

 

実は,同じことが制御全般に当てはまります.応答性をより良くしようとすると安定性が悪化し,安定性をより良くしようとすると応答性が悪化します.このような場合,重要なのは応答性と安定性のバランスをとることで,同時に難しいことでもあります.

LTコンペの競争内容


LTコンペでは制御のバランスのとりかたを競います.より具体的に言うなればスピードレースで,決められたコースを走り切るタイムを競います.

 

LTロボットは,よほどの設計や製造のミスをしない限り,ゆっくり走行すれば簡単に線を追従させることができます.逆に難しいのはコースアウトをしない高速走行になります.なんだかF1レースみたいですね!

 

今回は部内戦ということでラフに,マイクロマウス大会レギュレーションをかなり簡素にしたルールで開催しました.

LTコンペの様子


ベース機体をもとに,様々な改良の施されたLTがスピードを競いました!

異なる改良の手法なのにかなりの接戦となり,改めてロボティクスの深みを実感する大会となりました.